2010年12月23日木曜日

課外活動

1223

夕方、卒論のインタビューのため、少し京島校舎に立ち寄ってシャッターを開けた。


久しぶりなので、シャッターを開けるのに緊張していた。

以前(122日、〈墨東大学〉大学日誌、参照)に書いた気持ちまでいかないにしても、文章では伝えられない緊迫した気持ちがあった。


いつものごとく、片側のシャッターを2/3ほど開けて、果物屋さんの方を向き、目が合った所で一礼して、中に入るつもりが、シャッターを頭にぶつけた。それを果物屋のおかあさんとおとうさんが見ていて、『大丈夫?』と声をかけて、心配してくれた。
ちょっと痛かったけど、心の中で『今日はいける!』と確信した。(自分のことを受け入れてもらえた気がした。まだ商店街の中で時々しかいない自分は、その日その日でこの空間(キラキラ橘商店)に存在していても良いのか、悪いのかの日々感じているのだ。)


ということもあり、果物屋のおかあさんには、毎回バナナの差し入れをいただくので、今日は自分から買い物に出掛けた。


果物屋さんの目の前に行くと、おかあさんが『(シャッターが)開いてないと、寂しいよ』と真っ先に声をかけてくれた。おかあさんの頭には、前まで空き店舗だった場所で、「学生が何かをやっている!」、という場であると認知されている気がして、うれしかった。毎日数時間でも開いていれば違うのだろうな…。それを言われなくなった方がうれしいけど、そしたら次はなんて言われるのかな…。それとも会話がなくなっちゃうのかな。。


バナナを買おうとすると、1150円のバナナが、残り2房だった。『みんなで食べるかい?だったら、2房で200円にするよ!』と、おかあさんがまけてくれようとした。それならと思い、私は2房買った。この勢いに乗じて会話をした。

年内はいつまで営業しているのか、そして年始はいつからなのか聞いた。

すると、おかあさんの方から『どうして?何かあるの?』と聞いてきた。

『年初めにここ(京島校舎)のシャッター開けようと思うのですが、お店が開いてないなら寂しいですよね。』と私は返した。

それに対しておかあさんは、(記憶が飛んでしいあいまいだが)5日までお休み?5日から営業開始?かを、教えてくれた。

お店によっては、7日までお休みらしい…。

他のお客さんが来たので、私はその場を去った。



数分後、お隣の方が京島校舎を覗きに来た。

いっきに4人も!『何事だ…?』と思い、閉められたままだったもう片側のシャッターを開けた。

『誰だ?この絵を描いたのは?』と、この前もお世話になった常連の方が声を出した。やはり「毎日が楽しいぜ!」の数々の絵は人を引きつける力があるらしい。『オレから見たら、全部ピカソの絵に見えるな!』と、今回は小馬鹿にされた気がした。
なので、今回は『学生や社会人方が描きました!』と、さらりと流した。


そして、いきなり『近くにいい人(女性)いないか?』と聞かれた。『えっ?』、と返した。話を聞くと、どうやら一人暮らしをしているらしく、近所の方に『自転車の置いてある場所が3日間同じだったら、警察呼んでもらうようにお願いしてあるんだよ』と話してくれた。
どんどん話を聞いていくうちに、『ここ(京島校舎)のペンキの塗り方下手だな。自分たちでやっちゃうからいけないんだよ』と話してくれたので、『職業はペンキ塗る方ですか?』と聞いた。どうやらその通りで、その道40年のベテランさんだということが判明した。


もう一人方が、『一杯飲むか?』と声をかけてくれた。すると隣に戻って、『内藤くんに一杯やってくれ』という声が聞こえた。


(「内藤くん」とはどうやら自分(中島和成)のこと意味しているようです。前回隣のお店に誘われた時、そこにいたお客さんに『えっと、墨田区が実家の…「内藤大助」に似てるな!』と言われた。回りにいた方々からも『そういえば!』、『本当だ!』などという意見が一致していた。)


その時のことまで覚えてくれていて、一瞬『えっ?』とは思ったが、なんだか妙にうれしかった。

しかもキンキンに冷えたビールを届けてくれた。冷えきった体ではあったが、格段に美味しくて、心温まるビールだった。


飲み終わると、『どうしよう…。やっぱお金払った方がいいよな』と思って、ビンを返しにいく時、お金を払おうとした。お店の方に『大丈夫みたいよ!』と言われてしまった。


京島校舎に戻って、さきほど買ったバナナを持っていこうと思い、すぐ隣のお店に行った。ペンキ塗りを職業にした方がドアの所にいたので、『さきほどのお礼で…、良かったらみなさんで食べて下さい!』とバナナを渡した。
意外とすぐに受け取ってくれた。警戒されて、『いいよ』と断れるのでないかと思っていたので、ちょっぴりうれしかった。すると、『気を使わなくていいよ。違う…。金使うんじゃねーよ!』と。


ほんの数十分の出来事であったが、すごく充実していた。



合計6人の方が来校してくれた。

中島和成

0 件のコメント:

コメントを投稿