2010年12月17日金曜日

講義録:オープンキャンプ4: 墨東ポッドウォーク 1(加藤)

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日時:2011年12月17日(金)18:15〜20:00
場所:京島校舎に集合 → そののち「キラキラ橘商店街」を中心に行ったり来たり。
参加者:学生3名+教員1名
内容:(くわしくは講義録を参照)
カワイタクヤ氏考案の「ポッドウォーク」です。2006年ごろ、柴又や丸の内、坂出などで収録しましたが、いまはもっといろいろ実験できる環境が整ってきたので、墨東(とくにキラキラ橘商店街あたり)で収録します。
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18:15ごろに京島校舎に集合。もうあたりは暗い。そして、寒い。そろそろお店のシャッターが降りはじめるころ。きょうは4名で実習です。まずは、内容について簡単に。

カワイタクヤ氏考案の「ポッドウォーカー」は「A地点からB地点までを実際に歩きながらその体験を見えるように解説した音声を、別の人がA地点からB地点を目指しながら聞く」ことを指します。この試みに触発されて、数年前に「まち歩き」ガイドとして、いろいろなところで音声を収録してみました。当時は、こんな感じの説明文を書いていました。
ひとの数だけ、「まち歩き」の体験があります。携帯型音楽プレイヤー(iPodなど)とポッドキャスティングを活用して、あたらしいまちの理解を創造してみようと思います。ウェブを介して、事前にiPodなどにコンテンツをダウンロードしておき、音声を聞きながらまちを歩く。聞こえてくるのは、「いつか・だれか」が歩いた軌跡ですが、足を踏み出すのは、まちがいなく、じぶんです。
つまり、ひとが録音した音声(音声ガイド)を聞きながら歩くという体験です。最初は、いわゆるナビゲーションのために、目的地に向けて音(声)で案内することを考えながら収録をしていましたが、やがて、これは、歩きの〈お供〉としての魅力があることに気づきました。誰かのおしゃべりを聞きながら歩くという体験そのものが、まちへの関わりかたを変容させるからです。
(参考までに、過去に収録した音源は、下記のサイトで聞くことができます。)
・京都(2006) http://vanotica.net/snd/kyoto_06.html
・柴又(2006) http://vanotica.net/snd/shibamata.html
・坂出(2006) http://vanotica.net/snd/sakaide.html

今回の講義は、墨東エリアでポッドウォークのコンテンツをつくるための準備として位置づけられます。「墨東大学」の主旨もふまえ、目標とするのは、以下のようなコンテンツです:
・(当然のことながら)墨東エリア(たとえば「キラキラ橘商店街」)で収録される。
・墨東エリアに暮らす人/墨東にくわしい人と一緒に歩いてもらう。
・墨東エリアのまち並みの楽しさ(賑わい、複雑な路地、などなど)を音で再現する。
・だいたい、15分くらいのコンテンツをつくる。
第1回目の試みとして、おもに「15分間のウォーキング(=大まかに考えると1kmの語り)」を意識しながら、「キラキラ橘商店街」を歩くことにしました。まだまだこれからですが、いちおう「墨東ポッドウォーク」プロジェクトをスタートさせることができたと思います。

【実験 1】2人+2人に分かれて実験開始。2人でおしゃべりをしながら歩き(これをウォーカーと呼びます)、その後ろを2人で尾行(チェイサーと呼びます)します。ウォーカーは、まちの刺激を受けながら、〈お供〉になりうるコンテンツを収録します。いっぽう、チェイサーは、数メートル後ろを追いながら、もっぱらウォーカーたちの様子を観察し、気づいたことを録音します。15分間かけて、商店街を歩く(立ち止まるのはOK・道を曲がるのはNG)ことにしました。

【1-A】まずは東武亀戸線の踏切から明治通りに向けて、栗林と加藤が歩きます。それを、大崎とナカジが追いました。
●ウォーカー(栗林+加藤)

●チェイサー(ナカジ+大崎)


【1-B】今度は、明治通り側をスタート地点に、踏切に向かって中島と大崎が歩き、それを栗林と加藤が追うというバージョン。


●ウォーカー(ナカジ+大崎)

●チェイサー(栗林+加藤)


この実験は、商店街を15分かけて歩くという制限でおこなったので、ふつうのスピードで歩いていたら、どうしても時間が余ってしまいます。つまり、立ち止まったり、誰かに声をかけたりする時間を設ける必要があります。この実験では、それぞれが時間を「潰す」「かせぐ」というふるまいになってしまったようです。

【実験 2】メンバーの組み合わせを変えて、同じやりかたでもう一往復です。立ち止まるのを禁止。商店街からの分岐(横道に入るなど)のはOKとし、15分間歩き続けてゴールに到達するバージョンで収録してみました。

【2-A】ふたたび、踏切を起点に明治通りに向けて歩く。今回は立ち止まったりせずに15分間歩くというパターン。ナカジ+加藤が歩くのを、大崎と栗林が尾行。
●ウォーカー(ナカジ+加藤)

●チェイサー(栗林+大崎)


【2-B】ふたたび、明治通りから踏切まで。大崎と栗林が歩き、ナカジ+加藤が尾行。
●ウォーカー(栗林+大崎)

●チェイサー(ナカジ+加藤)



このバージョンのほうが、楽しかった…という印象です。参加者の皆さんからの感想などが届いたら、追記するつもりです。まずは、最初の報告でした。
(加藤文俊・2010/12/17)

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